会長のご挨拶(2006年4月)
澪電会会長 鈴木 胖
(電気・昭和33年)
昨年6月に会長に就任してから早くも1年近くが過ぎました。
11月8日(火)に開催された澪電会見学会ではシャープ(株)の世界最先端を行く亀山工場を見学し、一般の見学者ではアクセスできない液晶パネルの製造現場を間近に見ることができました。この隣では次世代のさらに大型の液晶パネルを量産する巨大な工場の建設が進められており世界的な大競争の最前線の緊張感をひしひしと感じることができました。この見学会では三坂副会長をはじめシャープ(株)の皆様に大変お世話になりました。
各支部の総会にも積極的に参加いたしました。10月5日(土)の東海支部では名古屋城の前にある中部電力(株)の巨大な地下変電所、10月22日(土)の九州支部では完成間近い海上の新北九州空港、11月12日(土)の北陸支部では全国でもユニークな富山県水墨博物館、11月19日(土)の中国支部では話題のやまとミュージアムを総会と合わせて見学することができました。各支部の役員の方々が同窓会の絆を深めようと懸命に努力をされている様子に深い感銘を受け、本部も負けないように努力をしなければならないと感じました。
さて、大阪大学の同窓会には学部レベルから学科レベルまで全部で77もの同窓会がありますが、現在大きな転機にあります。昨年7月25日に、水の都大阪の夏を彩る天神祭の船渡御に大阪大学として初めて参加した「阪大船」の船上で「大阪大学同窓会連合会」の発足式が賑々しく執り行われました。会長には大阪大学工業会会長の熊谷信昭元総長が選任され、副会長には理学部同窓会会長の金森順次郎元総長と(社)医学振興銀杏会(医学部同窓会)理事長の松本圭史元医学部長が就任されました。新しく誕生した連合会はその名通り“同窓会の連合体として、各部局等における同窓会はこれまで通りの活動をそのまま続けつつ、さらなる一体感をもってお互いの連携・協力を強め、大阪大学の一層の発展と全同窓生の益々の活躍に資することを目指す”としています。
電気系の同窓である「澪電会」から見れば、上に工学部同窓会の「大阪大学工業会」があり、さらにその上に「大阪大学同窓会連合会」があるという三重構造になります。同窓会の運営は基本的に会員の会費により賄われていますから、澪電会に属する卒業生から見れば三重の会費を払わなければならないということになります。三重構造の同窓会それぞれの役割を明確にし、差別化をする必要があります。「大阪大学工業会」は「大阪大学同窓会連合会」から見て大学の中で最多の卒業生を抱える工学部・工学研究科全体の窓口という役割を担います。「澪電会」は「大阪大学工業会」ではカバーしきれない固有の活動に的を絞り、予算をスリム化し、会費負担を軽減することが必要だと思います。
澪電会の現在の活動はいずれも必須のものであると考えます。電気系にまつわる出来事や新しい展開、卒業生の近況などを年1回まとめて報告する会報「澪電」の発行、ホームページの管理と更新、他では企画できない見学会の開催、電気系の新卒業生を祝い激励する3月末の「澪電会卒業祝賀会」の開催、東京から九州まで6つある支部への支援は今後も継続すべきです。予算のスリム化のためには見学会費用の受益者負担の徹底、個人情報保護の強化により内容の希薄化が避けられない澪電会名簿の発行の停止などが考えられます。ホームページによる情報提供は費用もあまりかからないのでもっと重視すべきです。その一貫として2000年以降の会報「澪電」をホームページ上にアーカイブ化しました。
長期的で最も重要な課題は、会費の納入率を上げることです。卒業生をクラス別、企業別の両面から世話人を決めて組織化し、このチャンネルを通じて各種行事への参加を呼びかける、会費の納入を督促するなどの手だてが有効ではないかと考えています。会員の皆様の主体的で積極的なご協力を切にお願い申し上げます。
2006年4月