会長のご挨拶(2002年4月)

澪電会会長 池田 健
(電気・昭和30年)

 会員の皆様、激動の21世紀も早や2年目を迎えました。ますますお元気にご活躍のことと拝察申し上げます。昨年6月の総会で、会長を仰せつかって以来、関係幹事並びに事務局の精力的なご努力と会員皆様のご協力を得ながら、本会の発展の微力を尽くして参りました。この間、母校・大阪大学創立70周年の記念行事開催等もあり、大きくとは申せませんが、少しは前進出来た様にも思われます。あらためて会員皆様のご協力に感謝申し上げます。

 20世紀の科学技術の急速な進歩は、人類史上画期的な豊かさをもたらしましたが、前世紀末頃から各種の場面でその影の部分が表面化して参りました。例えば人口問題では、いち早くその恩恵に浴した先進国の増加が止まったのに対し、世界人口の約80%を占める発展途上国は急激な増加傾向を示しており、総人口が90億人にも達すると予想されています。我国でも、明治維新以後の急速な近代化により、この100年の間に凡そ3倍、1億2千万人余りになりました。人口の増加は、近代化の大きな推進力にもなってきましたが、現在の出生率は 1.39と極めて小さく、人口は4~5年後をピークに減少に向かうと発表されました。しかも、この少子化傾向の加速に加えて、世界一早いピッチで高齢化が進むなど大きな社会問題になろうとしています。その他にも、エネルギーの大量消費に伴う地球温暖化現象、先進国の急激な発展による貧富の差などから新しい形のテロ事件、豊かさの裏側にある生産コストの押上げに伴う生産拠点の海外移転、国内の空洞化現象等々解決しなければならない問題が山積みしています。今後これらの問題をどのように解消して、新しい時代を作っていくのか。グローバルな感覚と我国独自の問題点をも視野にいれた科学技術の発展が期待されます。この為にも、IT、ナノ、バイオといった先端技術は勿論、従来形技術の新しい時代への対応も忘れてはならない重要な事柄であろうと思います。

 さて、澪電会の発足は1920年頃(大正8~9年)で、澪電会の澪は、河海で船の道筋を表す文字で、水の都大阪のシンボルとなっている澪標(みおつくし)と、ライデン瓶(Leyden Jar)の語呂の二つの意味があると聞いております。現在では8,000名余りの会員を数え、本部(大阪)と東京、東海、北陸、中国、四国、九州の6支部構成で、本部、支部間で密接な連携を取りながら運営しております。6月の総会には、全国から200名余りの参加を得て、総会、講演会、懇親会を開催しました。普段会えない友人、知人との再会、顔見知りのなかった同窓生との懇談など刺激的な楽しい集いとなりました。各支部でも、夫々の支部が趣向を凝らした総会を開催され、本部からも参加させて頂きましたが、母校から遠く離れた各地で活躍しておられる同窓生皆さんのお元気な姿を拝見し、ここでも新しいネットワークが広がっていく思いが致しました。 

 本部行事については、詳しくは会報に記載してありますが、11月に新旧技術の見学と自然美の鑑賞、12月には、先端技術と企業経営に関する講演会、3月には恒例の澪電会主催の電気系卒業祝賀・謝恩会を開催し、400名余りの新しい会員の門出を祝いました。資源に乏しい我国は、これからの時代も産業立国として世界に伍していかなければなりません。社会情勢は依然として厳しい状況が続いています。これを克服する為には、経済合理性の追求だけでなく、人類の未来をも見据えた技術開発が求められます。この為には個人の努力に加えて、学際、業際を超えた連携が重要です。澪電会は未だ未だ微力ですが、新しい時代への交流の場として、また、産官学の橋渡しといった役割を演じて行きたいと存じますので、引続き会員各位の格段のご支援、ご協力をお願い致します。

 最後になりましたが、会員皆様の一層のご健勝とご活躍を祈念申し上げます。

2002年4月(会報澪電 No.23より)

Last-modified: 2009-09-25 (金) 19:05:44 (3465d)