会長のご挨拶(2005年4月)

澪電会会長 大西 良一
(通信・昭和32年)

 8千人の俊秀の集う、この「滞電会」の会長を仰せつかって、はや8ケ月になります。滞電会の内部のことには全く不案内であった私ですが、大過なく何とか、諸活動をこなして来ることが出来ました。これもひとえに、お忙しい中、一途にご支援いただいた役員、事務局をはじめ会員の皆さんのおかげと感謝いたしております。

 昨年を振り返りますと、残念ながら、明るいニュースに乏しい年だったと思います。天災は別として、我が日本を取り巻く国際環境にしても、国内の生活環境を見ても、日本国民ひいては人類の将来に平穏な兆しが見えにくくなったと感じられます。戦後半世紀続いてきた我が国の発展を支えた、経済、人口、民意などにみる国力が、下り坂にさしかかっているようにさえ思えます。

 身近な電機業界でも、最近の「大手電機10社の平成16年度第3四半期実績」では、大騒ぎした「ディジタル家宅」の低迷ぶりが明らかになって来ています。これもデフレ下における数量景気と性急な各種の経済格差とが表面化しただけのことで、大勢から見れば、いまさらとやかく言うことでもありません。

 未だかつて経験したことのない道は、研究、教育の場でも問題を投げかけています。大阪大学も独立法人として、新しい地歩を踏み出しています。いままで経験しなかった性急な変化が立ちはだかる、このような時期にこそ、国内有数の知能集団である「澪電会」も結束し、情報交換を密にし、資源に乏しい日本の再起に向けて、努力することが期待されていると思います。

 思い返すと、昨年の6月に催された「本部総会、懇親会」は、例年通り、熱い集いになりました。髪の毛が多少白くなった懐かしい顔や、目新しいさわやかな若い顔があちこちに溢れ、昔話や近況に相槌を打つ、にぎやかな人だまりが揺れ動いていました。これが、長い時間や大きな空間を縮める絆であり、昨今の地域、業界、企業、職種などにはびこる各種の格差を埋める基なのだと実感いたしました。今年は場所も新たに「大阪大学中之島センター」で開催する企画がなされております。一層の盛り上がりが期待されるところです。

「澪電会」はこのほかにも、「卒業祝賀、謝恩会」「各支部総会」「見学会」「ゴルフ懇親会」「会報、澪電」「名簿の発行」「ホームページによる広報」など広い活動を行っています。しかしあらためて「澪電会」を、時代に即したより強力な組織に展開して行くことを思うとき、さまざまな課題が思い浮かびます。その中で、まず手をつけるべきこととして次の二つに着目してみました。

  1. 会員がより魅力を感じる内容に、活動を変革すること
  2. タイムリーな会員の情報交換と広報のネットを構築すること

 すなわち、それぞれの行事に当たっては、いままでの形にとらわれない、会員諸氏の参画意識をそそる方策と内容を前提とした、見直しが待たれているように思います。それは各自にとって、明るく楽しいこと、新しい発見があること、自分の存在意識を自覚できるものであると考えます。

 さらに行事の内容に魅力ある企画が調えられたとしても、的確な時期に、的確な手段で、関係のある向きに広報されることが必須の条件になります。具体的には、クラス、企業の代表役員の選出法を見直し、現状の郵送に加えホームページ、e-mailの活用などで、現実に即した広報手段を整備することです。

 もちろん、意図したからと言って、すぐさま形になって現れるものではありません。しかし小さいことでも現状に即した進化を求める集団には、明るい夢があります。みなさんのご提案、ご支援、ご参画を心からお待ちいたしております。

2005年4月(会報澪電 No.26より)

Last-modified: 2009-09-25 (金) 19:04:00 (5319d)