会長のご挨拶(2001年4月)

澪電会会長 藤井 克彦
(電気・昭和28年旧制)

 澪電会の皆さん、お元気でご活躍のことと拝察申し上げます。本会の会長をお引き受けして以来、一年半の月日が経ちました。その間、会員ならびに役員の皆様のご協力を頂き、会の発展のために微力を尽くして参りました。皆様のご協力に心からお礼を申し上げます。

《いよいよ21世紀が始まりました》

 「20世紀は戦争と動乱の世紀であった。21世紀こそ平和と安定の世紀にしなければならない」と云われています。

 20世紀は確かに戦争と動乱の時代でしたが、20世紀だけが戦争の時代だったわけではありません。人類は世紀の初めから争い続けてきました。人類が誕生した当初は自然の脅威から身を守るため、自然を相手に戦い続けてきました。人類が豊かさを手に入れてからは、その豊かさを奪い合って争ってきました。20世紀は科学技術が進歩したため、過去の世紀で殺しあったトータルの数を凌ぐ大量の殺戮を行った世紀でした。

 21世紀を平和と安定の時代にしたいと願うのは万人の一致するところでしょう。しかし、これを実現するためには、解決しなければならない諸問題が山積しています。

 例えば、21世紀半ばには地球上の人口は90億人になるだろうと試算されています。また、世界中で効率よく食糧を生産し、適正に配分したとしても、生き延びることのできる人口は70~80億人ぐらいだと云われています。

《食糧が足りなくなると戦いが始まります》

 われわれ人類は人口の増大と、エネルギーの大量消費、環境破壊に向って突き進んでいます。このままでは人類は破滅に向っていることは間違いないでしょう。21世紀初めに、できるだけ早く、この状況を修正する必要があります。それには科学技術の力が頼りです。しかし、科学技術といっても、『無から有が生じる』訳ではありません。全人類の英知を結集する以外に解決の道はないでしょう。

《昨年度の澪電会の歩み》

 昨年6月2日の澪電会総会、懇親会には200名余りの会員の方々がお集まりになり、普段めったにお目にかかれない同窓の方々と、旧歓を暖めることができました。

 また、東京、東海、北陸、九州、中国各支部では、それぞれ企画を凝らした支部総会を開催されました。いずれも本部から参加させて頂きました。支部の皆さんが、お元気で活躍しておられる様子をお伺いし、大変心強く思いました。その節はお世話になりました。

 11月2日には本部主催で、青山高原に設置された風力発電設備を見学いたしました。 21世紀の電力エネルギーの一部を担う候補として期待されている設備でした。現地に向うバスの中で、関西電力の方から、小型分散電源を含んだ電力系統についてのお話しを聞いてから、現地を見学しましたので、澪電会らしい充実した催しとなりました。

 また、年末には澪電会会員名簿を改訂出版いたしました。3年に一度の作業ですが、関係者の並々ならぬご努力によって無事完成し、配布しました。配布先は、誠に申し訳ありませんが、会の経理の都合上、澪電会会費納入者に限らせて頂きました。

 本年1月19日には、21世紀最初の企画として講演会を開催いたしました。21世紀100年間を視野に入れた話題で、演題は『地球シミュレータ、地球再生のシナリオ』でしたが、100名を超える聴衆で大変盛会でした。

《21世紀における澪電会》

 先に述べましたように、21世紀初頭にあたり、できるだけ早く、全人類の進むべき方向を鮮明にしなければなりません。澪電会の皆様は、高い専門知識と豊富なご経験を生かして、地球上の環境、エネルギー、食糧問題に取り組んで頂きたいと思います。澪電会も、専門家集団である特徴を生かした活動を展開して行きたいと考えております。

2001年4月(会報澪電 No.22より)

Last-modified: 2009-09-25 (金) 19:06:43 (5320d)